牧之原市G様邸「漆喰がボロボロ落ちてくるから直してほしい」とのご相談
こんにちは。現場管理の桑畑です。
牧之原市のG様より、屋根漆喰の補修についてご相談をいただきました。
点検したところ、熨斗瓦(のしがわら)がズレたままシーリングで固定されている状態で、通常の漆喰補修では対応が難しい状況でした。
そこで、棟の耐久性を高めつつ軽量化もできる乾式工法での棟の改修をご提案し、施工を行いました。
【施工前】漆喰の劣化と、熨斗瓦がシーリングで固定されていた状態




現場を確認すると、本来は積み直しで調整すべき熨斗瓦(のしがわら)が、ズレたままシーリングで固定されている状態でした。
シーリングは一時的な補修には使えますが、劣化すると隙間から水を吸いやすいため、雨漏りリスクが高まることがあります。
G様からは「シーリングをはがして元に戻したい」とのご希望がありましたが、既存の棟は土葺きで構成されており、シーリングを無理に剥がすと棟全体が崩れる可能性がありました。
そのため、漆喰を使用せずに施工できる乾式工法をご提案しました。
G様にも「軽くなって長持ちするなら、その工法で進めてください」とご承諾いただきました。
▼漆喰の劣化が進むとどうなる? 似たケースの施工事例はこちらで紹介しています。
【施工】棟瓦を撤去し、乾式棟の土台づくりを進めました
① 棟瓦をすべて撤去し、大量の土を除去


まずは既存の熨斗瓦をすべて撤去しました。
昔ながらの土葺き工法だったため、瓦と一緒に大量の土が出てきて、G様もとても驚かれていました。
② 棟金具と芯材を固定し、乾式棟の骨組みをつくる


棟まわりを清掃し、周囲の瓦を戻した後、棟金具を等間隔にビスで固定し、水平を確認しながら芯材を設置します。
これが乾式棟の骨組みとなり、後の工程の強度・安定性を決める重要なステップです。
乾式工法は湿式工法(漆喰固定)と比べて軽量で、耐震性が高いのが特徴です。
③ ハイロール(乾式面戸シート)を被せて防水性を確保


黒い部分が乾式面戸シートの ハイロール です。
エストラマーという弾力素材とアルミでできており、瓦に密着して雨水の侵入を防ぎます。
④ 7寸丸瓦をかぶせ、ビスで固定して仕上げ


最後に半円形の 7寸丸瓦 を棟に取り付け、パッキン付きビスでしっかり固定します。
ビス穴からの雨水侵入も防げる構造です。
【施工後】棟がすっきり軽量化され、耐久性の高い仕上がりに




熨斗瓦や漆喰を使用しないことで、棟がすっきりとした印象になりました。
乾式棟は軽量で耐震性が高く、ハイロールは約30年の耐久性があるため、当面メンテナンスの必要もありません。
G様にも「長持ちする方法を提案してもらってよかったです!」と嬉しいお言葉をいただきました。
屋根の軽量化は耐震対策にも有効です


昔ながらの土葺き瓦屋根は、重量が大きいため地震の揺れに弱いという弱点があります。
現在の新築や葺き替えでは、瓦は1枚ずつ固定する工法が義務化されています。
屋根の軽量化を考えている場合には、以下の方法があります。
・棟を乾式工法にする
・軽量瓦・防災瓦へ葺き替える
・金属屋根材へ葺き替える
お住まいの状況に合わせて、最適な方法をご提案しますのでお気軽にご相談ください。
▼屋根全体の葺き替えやカバー工法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。








































